﻿**********Event1**********
-----Page1-----
#Message#
甘かった・・。
##


#Message#
その可能性を完全に忘れていた。
##


#Message#
初めてガルムを見た時、危ないなって感じた。\.
でも、それ以上に危険なものがありすぎて、\.その感想は
日記の文字になるだけで、私の心から完全に抜け落ちて
いた。
##


#Message#
ただ、あまりに予兆が無さすぎて、不思議と後悔の念は
浮かんでいない。\.
「そんなの、分かる訳ない！」というのが本音で、\.
そんなことより、今はただただ焦っていた。
##


#Message#
これが山賊団の時と同様、勘違いであったならそれで
いい。\.
そうであってほしい。
##


#Message#
しかし、予想が的中していたら、\.それは想像を超えた
最も残酷な「時の収束点」になってしまう。\.
それだけは何としても避けたい。
##


#Message#
時魔術士として、自身の周囲の一部の時間のみを
操ってきて十余年・・。\.
これほど世界中全ての時間を止めてしまいたいと思った
のは、初めての事だった。
##



-----Page2-----
#Message#
隣町へ続くと山道は薄暗く、とても静かだった。
##


#Message#
真っ暗な森の中でバイクのエンジン音だけが響く。
##


#Message#
異様なまでの暗さと静けさのせいで、\.さっきまでの
村での喧騒が幻だったのではと錯覚しそうになる。
##


#Message#
だが、先程までの戦闘で熱くなっている体と、\.
ブロウから受け取ったバイクの軽快なエンジン音が、\.
今のこの状況が幻想ではないことを教えてくれた。
##


{{{{{{{{{{{{{{{{{{{{ Select Face Graphic: azkr1, 5, Left, Normal }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}

#Message#
\>アゼクラ：
凄い・・。\.
このバイクって、こんなに軽快に走れる
ものだったんだ・・。
##


{{{{{{{{{{{{{{{{{{{{ Select Face Graphic: azkr1, 8, Left, Normal }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}

#Message#
\>アゼクラ：
これなら、あっという間に隣町に着く
ことができる！\.
ありがとう、ブロウ。
##


{{{{{{{{{{{{{{{{{{{{ Select Face Graphic: Erase }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}

#Message#
そこにブロウがいないことは分かっている。\.
それでも、口に出したくなるくらい、バイクは快調な
走りをみせてくれた。
##


{{{{{{{{{{{{{{{{{{{{ Select Face Graphic: azkr1, 13, Left, Normal }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}

#Message#
\>アゼクラ：
えへへ・・・。
##


{{{{{{{{{{{{{{{{{{{{ Select Face Graphic: Erase }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}

#Message#
バイクは軽快に走る。\.
もうずっと。\.
結構長い時間、走っている気がする。
##


{{{{{{{{{{{{{{{{{{{{ Select Face Graphic: azkr1, 14, Left, Normal }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}

#Message#
\>アゼクラ：
・・・・・・。
##


{{{{{{{{{{{{{{{{{{{{ Select Face Graphic: Erase }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}

#Message#
軽快なバイクで走る心地よい気持ちが、徐々に胸の
ムカムカ感に塗り潰されていく。
##


#Message#
ゆっくりと、\.確実に。\.
考えないようにしていた違和感が、どんどん心を覆って
いき、\.ついに言葉になって漏れ出てしまう。
##


{{{{{{{{{{{{{{{{{{{{ Select Face Graphic: azkr1, 15, Left, Normal }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}

#Message#
\>アゼクラ：
・・・・。\.
えっと・・・、\.
結構、\.遠いんだね。
##


{{{{{{{{{{{{{{{{{{{{ Select Face Graphic: Erase }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}

#Message#
遠いなぁ
##


#Message#
まだかな？
##


#Message#
そろそろ着くかな・・
##


#Message#
遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い
遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い
遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い
遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い遠い
##


#Message#
おかしい。\.
ブルは１０分もあれば隣町に着くと言っていた。\.
なのに、いつまで経っても町の明かりが見えてこない。\.
もう１０分、\.いや２０分以上経った気がする。
##


#Message#
町に気付かず、通り過ぎてしまったか？\.
いや、それはありえない。\.
ここまでずっと一本道だったし、森を一度も抜けて
いない。\.集落なんて一切なかった。
##


#Message#
引き返すか？\.
いや、引き返してどうする。\.
もしかしたらあと１分走れば隣町に着くかもしれない。\.
もう目と鼻の先まで来ているのかも。
##


#Message#
それに、引き返したところで、応援を呼ばずに自分
一人だけ村に戻っても何にもならない。\.
自分が着くまでの間は、ブル達に村のことは任せる
しかない。
##


#Message#
こうやって考え事をしながらもバイクは全速力で道を
疾走していく。\.
それなのに、一向に町の明かりは見えず、目の前を
過ぎ去っていく道は、深い闇だけを連れて来る。
##


#Message#
町に着いて応援を呼んでも、また同じだけの道、
同じだけの時間をバイクで走らなければならない。\.
これから１分走れば、戻るのに掛かる時間が更に１分
増える。
##


#Message#
いつしかバイクの軽快な走りを楽しむ心は消え去り、
吐き気すら覚えるような不安と焦燥だけが胸を
締め付けていた。
##



-----Page3-----
#Message#
帰り道はもう頭がぐちゃぐちゃだった。
##


#Message#
応援を呼ぶことができた安堵感。
##


#Message#
また同じだけの時間走らなければならない焦燥感。
##


#Message#
時間が掛かりすぎているという苛立ち。
##


#Message#
ルナやブロウ、村の皆の安否を願う祈りに似た気持ち。
##


#Message#
まだ間に合うはずと、自分を鼓舞する想い。
##


#Message#
真っ暗な闇の先にある「結果」へ向かう恐怖感。
##


#Message#
山賊団達が魔獣なんかに負けないだろうという楽観。
##


#Message#
どうしてこんなことになったのかという後悔。
##


#Message#
いろいろな感情が心を支配し、胸のムカムカと吐き気に
なって溢れてくる。\.
指先はガクガクと震え、それを抑えるようにハンドルを
握る手に力が入る。
##


#Message#
体の疲れやバイクの軋みを一切無視し、\.全身の神経を
集中させ、\.世界に流れる時の魔力をかき集め、\.
唸りを上げるバイクへ注ぎ続ける。\.
それに答えるようにバイクは軽快に走り続ける。
##


#Message#
タクヤキ村に現れた「時の収束点」の正体。\.
その答えはすぐそこまで迫っていた。
##




